総務省「携帯料金値下げ要請」で起こる 携帯事業の独占状態という“最悪のシナリオ” ドコモ ahamo 発表のその先
12月3日、NTTドコモは新料金プランとして「ahamo(アハモ)」を発表した。
前々からの総務省の「携帯料金値下げ要請」に名目上メインブランドで対応する形になる。
消費者の私達から見ればとても有益な情報に感じるが、この先に迫る携帯事業者の独占状態の始まりとも捉えることができるのだ。
今回は、「ahamo発表で起こる携帯事業者の独占」について語っていこうと思う。
ahamoとは
“ahamo(アハモ)”とはNTTdocomoが12月3日に発表した新料金プランである。
所々にサブブランドにしようとした形跡が残っているようにも感じるが、メインブランドの新料金プランだ。
簡潔に説明すると「4G・5G 20GB 5分間かけ放題2,980円」である。
他社キャリアでは、auが無制限+5分間かけ放題で8,280円。SoftBankが50GB+5分間かけ放題で8,280円。
MVNO(格安SIM)では、20GBは4,800円前後といった具合。
これだけでも、ahamoがどれだけ安いのか感じて頂けただろう。
対抗馬として楽天モバイル
対抗馬として楽天モバイルの名が挙がってくる。
これだけ見ると、楽天モバイルが優勢に思えるが、楽天モバイルには重要な落とし穴がある。
それは「楽天モバイル回線エリアが狭いこと」だ。
やはり携帯事業者の老舗のドコモと、新参者の楽天モバイルでは到底エリア・品質面で追いつくことはできない。
日本人の心理的に考えても、価格が同じならば高速・安定・安心のドコモのahamaに流れることは必然だろう。
他キャリアが身を削る思いで値下げしても…
おそらく他キャリアやMVNO各社も対抗して値下げをするだろう。
しかし、NTTドコモの裏には強力なバックアップがつく可能性がある。
それは、9月29日に発表された「日本電信電話(NTT)による、NTTドコモの株式公開買い付け(TOB)を行い完全子会社化する」だ。
TOBが成功すると、日本電信電話(NTT)がバックにつくこととなり、より一層他キャリアとの“格差”が生まれるようになり、他キャリアは太刀打ちができなくなる。
そして…
そして、疲弊した他キャリアや資金源の乏しいMVNO各社は“事業縮小”or“撤退”といった最悪のシナリオが待ち受けているのだ。
そうすると、ドコモの一強という言わば“独占状態”となり最悪の状態である。
好きに価格調整が行えてしまい、消費者にとっても大きな不利益を被ることとなる。
異論反論など多くあるだろう、しかし最悪のシナリオとはこういう流れだと私は考える。
総務省の「携帯料金値下げ要請」。それに伴う今回のドコモの発表。
今後の生活の基盤を担うであろう携帯電話ネットワーク網は大きな分岐点に立たされているのだ。